2007年12月13日木曜日

『菊水』の生麺

 ブラッと寄ったスーパーで、『菊水』の生麺を発見!

 私は家でラーメンを食べる場合、二人前をネギのみ入れてと決めている。一人前では絶対に足りない。具が色々入ってるのは好きじゃない。モヤシや半熟卵を入れるのは好きだが、茹でるのが面倒なので大抵はネギのみ。
ラーメンも生麺が基本で、インスタントは確か中学生の頃から食べていない。カップラーメンは夜など小腹の空いた時に食べることはあるが、三度の食事で乾麺は絶対有り得ない。

 生麺も色々と種類が出ているが、私の好きなメーカーは北海道の『菊水』 で、スーパーなどでよく見かけるのは『札幌ラーメン 濃厚ガラ自慢』。菊水の麺はコシのある太ちぢれめんで、生ラーメンの中ではダントツに好きだ。豚骨から炊き出したガラスープも最高。私は小食だが麺類だけ はなぜか二人前いける。生ラーメンはほとんどが二人前でワンパックなので、一人で平らげてしまう。当然、スープが一食分あまるわけだが、捨てたりなどしな い。麺だけを買ってきて、ちゃんと使用する。できれば菊水の麺とスープで食べるのが一番なのだが。

 それが今日、とあるスーパーで菊水の生麺を見つけた。何と三人前でスープ無し。しかも100円ちょっとの低価格。いつもスープだけ一人前余るので、私にとって麺だけというのは理想的なのだ。




 一袋だと一人前余ってしまうので、取りあえず二袋買ってみることに。こうすれば、二人前を三回分食べられる。
 実際に茹でて食べてみると、いつもの食べ慣れている麺より細め。これなら三人前もいけそうだ。あとはスープのバラ売りがあれば完璧なのだが。他のメー カーのでもかまわないのだが、意外とスープだけ単品で買うと高いし、菊水の麺には菊水のスープが一番合う。お願いします、菊水さん!

2007年10月20日土曜日

『ドライブタイムS』で素敵な車内空間?

 知人への贈り物をアロマオイルにしようと思い、駅前のショップへ。そこでair aromaの『ドライブタイムS』という商品を発見。


 どの香りのアロマオイルをにしようかと迷っていると、『ドライブタイムS』という見たことのない商品が目についた。どうやら、車のシガーソケットを使ってアロマオイルの香りを拡散させるアイテムらしい。「へぇ〜面白いな。買ってみよう」と軽い気持で購入。









  使い方はとても簡単で、本体からトレーを抜き、中にセットされている専用のオイルパッドにオイルを数滴垂らす。後は車のシガーソケットに本体を差し込み、スイッチをONにするだけ。拡散量はノーマル、ストロングの二段階。




 実際にノーマル・モードで使ってみると、車のエンジンをかけてから二〜三分で香りが微かに漂い始めた。鼻につくような強さではない。人によって は「え、こんなもん?」と拍子抜けするかもしれない。ストロング・モードも次回試してみないと。その時は使っていなかったが、エアコンをかけるとまた違う かもしれない。目的地に十分程で到着したので持続性もまだわかっていない。多分時間が経てば香りが強くなるということはないだろうし、オイルの量が五滴ほ どなら保って一時間というところではないだろうか。また改めて調べよう。

 問題点はと云えば、シガーソケットを普段、iPodや携帯充電用が交互に差しっぱなしであること。携帯の充電は仕方ないとして、オイルの香りを楽しみながらiPodで音楽を聴けないのだ。別途、二連ソケットを購入しなければ。

2007年9月1日土曜日

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』を観て

 ヱヴァンゲリヲン 新劇場版:序(EVANGELION:1.0 YOU ARE (NOT) ALONE)を観てきた。


 目覚ましを8時にあわせて起床したが、何だかんだで劇場に着いたのは11時過ぎだった。受付に問い合わせると、12時の回は満席で午後2時からしか観ら れないと云う。2時の回をお願いしますと云い、受け取ったチケットは『発見番号:60』。第一回の前売りを並んで、いの一番でチケットを手に入れたの に…。とりあえずグッズを購入。

 時間を潰して、漸く映画館鑑賞。場所は前から3列目の右から3番目。正面ではなかったが、スクリーンが大画面なので不満はなかった。

 劇中で印象的だったのは、
 ・初号機の胴が細くてよかった。TV版初期の寸胴は嫌いだったので、新劇場版用に全て描き直されていて満足。
 ・最大の関心事、「いかにしてシンジをエヴァに乗せるか?」は、旧作そのままでがっかり。あれではやはり無理がある。
 ・ベスト3に入る好きな使徒の一つ『サキエル』は良くも悪くも旧作と変わりがなかった。少々残念。サキエル殲滅後、『血の雨』の意味がわかる。
 ・『シャムシェル』は一部デザインが変わり気持ち悪くて良かった。シンジの鬼気迫る(無謀な?)戦いがよかった。
 ・『ラミエル』は今回の目玉だったかもしれない。形状が色々変わって面白く美しかった。『サキエル』『シャムシェル』が前座というか、『ラミエル』戦を温めるためだったと思えるほどの存在感。『ヤシマ作戦』は俊逸。『序』の取りに相応しい。
 ・『卵焼き』と前評判で揶揄された零号機と新デザインの盾『エヴァンゲリオン専用単独防御兵装 ENCHANTED SHIELD OF VIRTUE』はヤシマ作戦でそれほど目立たない。結局、『ESV』は何のための新名称と新デザインだったのか…?
 ・シンジ愛用の携帯プレーヤーは相変わらず『SDAT』だった。iPod風になると思ったのだが。
 ・ショックだったのは『リリス』のマスクのデザインが変わったこと。シンプルで、目が不気味になって良かった。
 ・「あれ、カヲルは?」と思っていたら、ラストにほんのちょっとだけ出てきた。
 ・使徒は残り8体で、『破』では『四号機(すぐロスト?)』、『伍号機』、『六号機』、そして新しいパイロット(眼鏡っ娘。ファンが増えそう)が出るようだ。勿論、弐号機、参号機も。

 次作『破』が非常に楽しみになってきた。しかし、本当に三部作に収まるのだろうか?無理な気がするし、それでは寂しくも思う。カットされる使徒はいるのだろうか。新使徒は…?そして新登場のエヴァのデザインがとても楽しみ。

2007年8月14日火曜日

一関市博物館

 『一関市博物館』に初代国包の刀が展示されているらしいので、岩手まで行ってみることにした。


 前日になり急遽出発を決定、ネットや情報誌などで軽い下調べをし「国道4号線をひたすら走るだけだから大丈夫でしょ。一ノ関に入ってからはナビに頼ればいいし。出発は九時半頃でいいかな?」と安易に考え、準備終了。すでに頭の中は刀のことでいっぱい。

 そして当日。ナビに目的地をセット。距離は丁度100キロでひたすら北上するだけの簡単な道のりだが、『到着予定時刻 13:00』を見て一瞬青ざめる。昼前には目的地に着き、厳美渓を見てから昼食、午後からゆっくり博物館を見学、時間が許せば平泉へGOなどと軽く考えていたのだが、どうもその余裕は無いらしい…。到着時刻はあくまで目安なのだから、鵜呑みにする必要はないのだが、今はお盆シーズン。渋滞は絶対あるものと 思って間違いない。何だかどんどん不安になってしまい、一分でも惜しいので、取りあえず出発。
実際車を走らせると、それほどひどい渋滞はなかっ た。片側一車線では思うようにスピードを出せないので少々焦ってしまったが、法定速度より遅いということ はほとんど無かった。何だかんだで岩手の県境に差し掛かる頃には、12時半頃まで目的地に到着する見通しが立ちホッと一安心。

 ナビのおかげで12時過ぎに無事、一関市博物館へ到着。逸る気持ちをグッと抑え、先ずは厳美渓を見に行く。丁度お昼時だったので、次は『山のそば屋 須川』でざるそばをいただく。食べ終えてから、「大盛りでもよかったかな」と後悔。そしていよいよ一関市博物館へ。

 刀は「舞草刀と刀剣」とテーマされた展示室の四方のショーケースに、13振の刀剣(太刀3振、刀5振、脇指2振、短刀1振、槍1振、薙刀1振)と4振の拵が見事に陳列されていた。

・刀 (額銘)建武 寶壽
・太刀 友安
・薙刀 無銘(舞草)
・太刀 寶壽
・短刀 寶壽

・刀 奥州仙䑓住國包  (二代)
・刀 一関士宗明
・十文字槍 一関士宗明造之
・脇指 明弘

・太刀 行光
・刀 備州長船祐定(ウラ)天正二年八月日
・脇指 武蔵大掾藤原是一
・刀 備前介藤原宗次 文久四年二月日

 見事にショーアップされた刀剣はどれも素晴らしく、質・量共にとても見応えがあった。まったく仙台市博物館にも見習ってもらいたいものだ。ただ一点だけ残 念だったのは『初代国包』が展示されていなかったことだ。受付に問い合わせたところ「確かに初代は収蔵されているが、現在は展示していない」とのこと。必 ず展示されているという勝手な思い込みだったのだが、これにはガッカリしてしまった。日を改めるしかないようだ。残念で仕方がない。
『建武 宝寿』は太刀を大磨上したものか、中心に短冊銘がはめ込まれている。

 時は流れ、あっという間に帰りの時間がきてしまった。二時間ほど粘ったが、それでも全然見飽きない。何としても『初代国包』を見ないと気が済まないし、『正恒』など未だ見ぬ刀があるので、また一関市博物館へ来ようと心に決めた。結局、平泉には行くことができなかった…。


たまたま切り抜いておいた河北新報の記事

2007年8月12日日曜日

国包の墓

 先日、図書館で『仙台藩刀工考(庄司恭/著)』という本を見つけた。興味の最たるは『国包一門』だが、いわゆる『郷土刀』に明るくなるために勉強しようと思い、本を借りることにした。

 本書には仙台藩お抱え刀工である『本郷国包』『田代永重』『大友国次』『余部安倫』『庄子包藏』『阿部包吉』『木村家定』の八家の系譜が網羅されてい る。冒頭から驚いたのが、何と国包代々の墓が現存し、しかもそれが近所らしいということだ。場所は『得生善導寺』という浄土宗のお寺で、地図で調べてみる と駅前に行くためよく通っている『新寺通り』にあるではないか。これは行くしかない。




 


昭和四年六月、川口陟先生はじめ有志9名が建立した碑。現在は西門にあるが、区画整理されるまでは国包歴代の墓と一緒にあったという。


本郷国包家累代の墓

初代国包吉之允(源藏)の墓


三代国包源次郎、初代、二代国包吉右衛門

四代国包源十郎、五代国包三郎衛門

六代国包権十郎、七代国包源十郎、八代国包吉右衛門


十代国包源之助、九代国包半蔵

十三代国包栄助、十二代国包源兵衛、十一代国包三之助(のち源藏)

初代の墓石の後に立っている石碑

石碑の裏。昭和55年10月(22日)に『(財)日本美術刀剣保存協会』の宮城県支部によって建てられたことがわかる

名刺受に赤トンボ。あたりは蝉の声がうるさいほどだった



 初代国包は本名を本郷源藏といい、後に吉之允と改める。23歳の時に伊達政宗に召し抱えられ、28で越中守正俊のもとで数年の修行をし、37(36歳説 有り)で『山城大椽』を受領(ずりょう)する。54で家督を二代目吉右衛門に譲り、隠居後は入道し『松島瑞巌寺中興雲居禅師』より諱『用恵』、字『仁澤』 を授かる。
 本郷国包家は保昌五郎貞宗の末流といわれているが、十一代三之助は「九曜紋給わりたる事なく又保昌五郎が末ならず」といって否定しているそうだ。

2007年5月3日木曜日

仙台市博物館

 塩釜神社博物館に続き、仙台市博物館へ見学に行ってみようと思い立つ。

  下調べに仙台市博物館のサイトを見てみると、新館オープン20周年を記念して伊達家関係の資料を中心とした企画展を開催中だという。さぞ刀剣類も充実しているだろうと期待して博物館へ向かった。
 しかし、実際に博物館をのぞいてみると、太刀一振、脇差二振、拵一振(梨子地葵桐紋糸巻太刀拵)と、満足のいく展示数ではなかった。その代わり胴具足が十領と甲冑類が充実していたので、欲求不満は少し解消されたが、残念な気持ちは消えなかった。

・太刀 雙龍子玉英:火縄銃の職人から転進したという異色の刀工『新井龍右衛門』64才頃の作
・脇指 奥州仙䑓住藤原國包:二代目吉右衛門が若い頃の作
・ 脇指 備前國住長船与三左衛門尉祐定作:大業物で知られる与三左衛門尉祐定の作で、作製は『天文二年八月吉日』。祐定と同銘の刀工は60名以上もいるそう だが、与三左衛門尉祐定(永正、天文、天正)など有名な祐定は十数名で、他は俗名の無い所謂『数打物』が殆どだという。

 甲冑類は『黒漆五枚胴具足』が中心で、中には姫の所用と伝えられる女性用の小振りな畳具足や、上杉謙信所用とされる三宝荒神(仏法を害する者を威嚇するため、憤怒の形相をした三つの顔を持つ神)形の兜付の胴具足など面白いものもあった。

2007年4月29日日曜日

塩釜神社博物館

 『塩釜神社博物館』には、伊達家が奉納した刀などが展示されているそうなので、見学に行ってみることにした。


 塩釜神社博物館は二階建てで、一階は神社関係、二階は海や塩に関する物が中心となって展示されている。目当ては神社に奉納された刀剣類で、以下の六振が展示されていた。

・太刀 来國光
・太刀 雲生
・太刀 國包(十二代)
・大脇指 永重
・刀 永繁(白龍子)
・大太刀 (無銘)

  目玉はなんといって重文指定の『来国光』と『雲生』の太刀。『来国光』は、仙台藩の四代藩主伊達綱村公が塩釜神社に奉納したもので、これより各代藩主が太 刀を奉納するのが恒例となったそうだ。『雲生』も綱村公が奉納したもので、刃に二ヶ所の欠け(片方は修復済み)があり、 何かを切ったからか、はたまた激しく斬り結んだからかなどと想像をかき立てられる。ろくに見方もわからないくせに、初めて目にする刀に感動しながら、刃文 や地鉄を目に焼き付けようとした。
 『国包』は大業物で知られる初代の『山城大掾國包』が有名であるが、展示されていたのは十二代の本郷源兵衛の 作。『永重』は尋常でない身幅の大脇指で、初め巨大な短刀かと勘違いしてしまった。『永繁』(白龍子)は永重の嫡流で、作は江戸の末頃。反りは1.5セン チほどで、姿が一番好みだった。無銘の大太刀は長さが2.3mもあり、行列の中でも一際目立ったそうである。

 鹽竃神社には藩お抱え刀工作の歴代藩主奉納太刀が全部で三十五振あるそうなので、可能なら残りの太刀も是非見てみたい。

2007年4月28日土曜日

『ヱヴァ 新劇場版:序』の前売り券

 飲み会が終わった後、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』の前売り券を購入するために映画館へ向かった。

 前日の問い合わせでチケットが50枚しかないことを知り「一人二枚買うとして、25人いたら終わりだな…」と早くも諦め半分だった。飲み会は遅くとも11時頃には終わるだろうから、その足で劇場へ向かってみようと考えていたのだが、結局二次会にまで顔を出してしまい、時刻は深夜の二時前だった。 きっと今頃沢山並んでだろうから止めようかな、でも行くだけ行ってみようかなと迷っていたが、道場生のOさんが「話の種になるかな」と興味を示し、結局二人で向かうことになった。不安を胸にしながら目的地に着いたところ、何と人っ子一人いないではないか。人気がないのか、並ぶのが恥ずかしいのかわからない が、何だか拍子抜け…。丑三つ時、今度は誰も居ないことに不安を覚えながら、とりあえず寝て待つことにした。

 四時頃だったろうか、男性が一人現れた。何だかホッとするも、明け方にかけて冷えてくるし、おまけに酔いが醒めて体温がどんどん下がる。更には地面と接している部位から熱が逃げていく。寒くてじっとしていられない。寒さに震えながら、時間が経つのをただひたすら待つばかり。人も少しずつ増えてきて、7時過ぎには列らしくなる。そんな時、Oさんの次に、つまりは3番目に並んでいた男性が「なんだよ朝来ても十分余裕だったじゃん!」と吐露する。それを聞いて私も軽くへこむ。6時間前から震えながら待っていた私って一体…。

 そしていよいよ開館の時。ドキドキしながらチケット売り場へと 向かうと、係員に「お一人様一枚までです」と告げられる。少々邪な心があったので がっかりしたが、1,500円払って念願の前売り券とNERVマークの入ったストラップを手に入れる。今回並んでまで前売り券を手に入れようと思ったのは、このストラップ欲しさからだったのだ。これのためにしんどい思いをしたんだなと、ストラップを手にしながらしみじみしていると、あの三番目の男性の 「こんな物のために俺は時間を無駄にしたのかよ〜」という落胆の声が聞こえてきた。これを聞いてしまった私は疲れと眠気がどっと出てクラクラしてしまった…。


2007年2月17日土曜日

スラムダンク『山王戦』

 急に『スラムダンク』の桜木シュート合宿のあたりが読みたくなったので、22巻を手に取った。二〜三話だけのつもりだったのに、結局最終巻まで読んでし まった。スラムダンクを読むのは久しぶりなのだが、今回は『湘北・山王戦』を今までと違った読み方をすることになった。それは『Hさん』からお聞きした 『能代工業バスケ部』のお話を思い出しながら読んだからだ。

 Hさんは能代工業バスケ部(それも加藤廣志監督の時代)のレギュラーだった方で、その能代工業バスケ部の貴重な話を聞かせていただく機会があった。
 印象的だったのは「相手がどこだろうと眼中になかった」という強気な言葉。それは慢心からくる侮りでなく、厳しい練習と過酷なレギュラー争いを生き抜いた者の自信の表れなのだろう。そして、本当のライバルは日々レギュラーの座を奪い合うチームメイトということなのだ。 
  伝統ある能代工バスケ部のレギュラーであるというのは選手に大きな自信と誇りを持たせると思う。しかし、時にはそれが目に見えない重圧として、選手に重く のし掛かることもあっただろう。「自分たちの代で能代工バスケ部の歴史に汚点を残してはならない」という強い思いがあったそうだ。卒業したOB達の厳しい 目もプレッシャーだったという。大会前にOBチームが胸を貸してくれるそうなのだが、そこで無様な試合をしようものなら…。
 他にも大学時代、JBL時代の話もしていただいたが、惜しむらくは私にもっとバスケの知識があれば色々取材できたのに。きっと、お話を聞かせていただく機会はまたあるだろう。

 あと、スラムダンクを話題にしていたとき、思いがけず「流川のモデルは外山だと思う」という一言が。大抵、登場人物のモデルはNBAの選手に求めるだろうが、Hさんの口から飛び出したのは意外にも日本人選手だったのだ。
  そういえば、1999-2000シーズンのニューヨーク・ニックスのメンバー達に湘北バスケ部はのイメージをダブらせて試合を観ていたことがあった。キャ ンビーの『勉族』のタトゥーがきっかけでニックスを注目するようになったのだが、この坊主頭のPFがどことなく桜木っぽく見えたのだ。ケガのためいつも スーツ姿で試合を見守っていたユーイングは赤木。3Pシュートが武器のLJは少年の頃グレてて、更正プログラムがきっかけでバスケを始めたそうだ。グレて た3Pシューターといえば三井。湘北っぽいという勝手な思いこみでニックスを応援するようになった。このシーズンのニックスは調子がよく、何とファイナル まで進出した。スパーズに破れてしまい、残念ながら優勝を逃してしまうが、本当に素晴らしいチームだった。

赤木→パトリック・ユーイング(Patrick Ewing)
桜木→マーカス・キャンビー (Marcus Camby)
流川→ラトレル・スプリーウェル (Latrell Sprewell)
三井→ラリー・ジョンソン (Larry Johnson)
宮城→チャーリー・ウォード (Charlie Ward)

  私はバスケ経験者でもスレたマンガ読みでもないので、今までは何の疑問も持たずに『スラムダンク』を楽しんでいた。しかし、Hさんのお話を思い出しながら 山王戦を読むと、才能・経験が豊富で練習量がどこよりも多いであろう山王が湘北に負けたのは不健全に思えてくる。無名チームが名門チームを破るという大番 狂わせは、少年マンガの醍醐味であり、一巻から見続けてきた主人公たちに感情移入し、勝って欲しいと思うのが素直な読者だ。有終の美を飾るための演出なの だろうが、テンションの高い展開にすっかり騙されている感がある。山王に死角はなかったはずだ。始めからベストメンバーで試合に臨み、ゾーンプレスも仕掛 けた。点差も相当離れ、片や湘北はスタミナ切れ。湘北の不利な点を上げると枚挙に遑がないわけだが、その状況から奇跡の逆転劇というのは無理がある。山王 の選手達がそれぞれ積み上げてきたものは何だったんだろうとさえ思えてくる。一つ気になるのは、連載があの後も続いていたとして、それでも湘北は山王に勝 利していたのだろうか?
 何だかんだ云ってしまうのは、作者の井上雄彦がバスケに造詣が深く『スラムダンク』がとてもよくできた作品だからだ。そ れにしても、もっと桜木はじめ湘北バスケ部の成長を見てみたかった。新入部員も登場するはずだっただろう。序盤からの余計なものがどんどん削ぎ落とされ、 『湘北・綾南戦』あたりから純粋なバスケットマンガとして面白くなってきて、これからというときだったのに。実に惜しい。