今回、仙台市博物館に足を向けたのは、刀剣と糸巻太刀拵、そして現在開催されている企画展『最後の戦国武将
伊達政宗』が目的。刀に関してはあまり期待出来ないが、糸巻太刀拵は常設展示されているはずだし、企画展の面白さは鉄板だと思う。何も感動が得られないわ
けは無いので、いざ入館。
…残念ながら、刀剣類は一口も展示されていなかった。正直がっかりしたが、気を取り直して他の展示物を楽しむことにする。
常設展示では、先ず博物館の目玉の一つである『金梨子地葵紋桐紋糸巻太刀拵』をじっくりと見る。もったいないことに今までサラッとしか見ていなかった。 傷みが激しいため新しく拵を作り、オリジナルから漆を剥がし移植したそうだ。糸巻太刀拵は四角の透明ケースで展示されているので、正規の見方ではないが四 方八方から見ることが出来た。丁度、糸巻太刀拵の裏には柳生宗矩が政宗へ宛てて送った書状が展示されていた。内容はといえば、参勤交代で江戸へ着いた政宗 に、宗矩がお茶のお誘いをしたというもの。一体どんな話をするためだったのだろうか…?
さて、企画展だが、六つのスペースに分けて政宗所縁の品々が展示されており、エピローグと題された初っ端が特に良かった。政宗公所用の『黒漆五枚胴具 足』が『白地赤日の丸旗』をバックに飾られていた。前回は五~六領の具足が展示されていたのだが、一領だけでしかも日の丸の前というのが逆に映える。ス ター・ウォーズのダース・ベイダーが冠るマスクのモデルとなったという『六十二間筋兜』。吹返には梅紋を透かしており、私が鍔で最も好きなデザインであ る。前立の弦月がまるで腰反りの太刀にも見える。同じスペースの『白絹宿地雪薄紋単衣』と『納戸地緞子雲文袴』(二領とも10月10日までの展示)も素晴 しい。
他には企画展示室に
・紫糸威胴丸(伝伊達政宗所用)
・銀伊予白糸威胴丸具足
・鉄錆地五枚胴(伝鈴木元信所用)
・黒漆五枚胴具足(片倉重綱所用)
の五領が展示されていた。『黒漆五枚胴具足』と『銀伊予白糸威胴丸具足』は360°どこからでも好きに見られるのが有難い。
今回、最も印象に残ったのは、濱田景隆所用の『浅葱麻地小紋染鎧下着』だった。これは濱田景隆が宮崎城攻めで討死した時に着用していた鎧下着で、血痕や生地の破れが戦の壮絶さを物語っている。破れた箇所に受けたのは刃物か銃弾か。
武具や衣類の他、書状、絵画など仙台公縁の興味深い品々が多数展示されており、一度と云わず何度でも会場に足を運ぶ価値があると思う。10月11日から『黒漆五枚胴具足』二領や『山形文様陣羽織』、『黒羅背板地胴服』の四点が追加展示されるそうだ。こちらも楽しみ。
展示物を見ている間、或いはその後、凡そ三百数十年前の仙台にロマンを思い馳せるのは必至だと思う。展示物を一通り見学し、伊達政宗のスケールに触れた気になり、仙台公の入神後に国包が入道した気持ちが少しわかったような気がした。
…残念ながら、刀剣類は一口も展示されていなかった。正直がっかりしたが、気を取り直して他の展示物を楽しむことにする。
常設展示では、先ず博物館の目玉の一つである『金梨子地葵紋桐紋糸巻太刀拵』をじっくりと見る。もったいないことに今までサラッとしか見ていなかった。 傷みが激しいため新しく拵を作り、オリジナルから漆を剥がし移植したそうだ。糸巻太刀拵は四角の透明ケースで展示されているので、正規の見方ではないが四 方八方から見ることが出来た。丁度、糸巻太刀拵の裏には柳生宗矩が政宗へ宛てて送った書状が展示されていた。内容はといえば、参勤交代で江戸へ着いた政宗 に、宗矩がお茶のお誘いをしたというもの。一体どんな話をするためだったのだろうか…?
さて、企画展だが、六つのスペースに分けて政宗所縁の品々が展示されており、エピローグと題された初っ端が特に良かった。政宗公所用の『黒漆五枚胴具 足』が『白地赤日の丸旗』をバックに飾られていた。前回は五~六領の具足が展示されていたのだが、一領だけでしかも日の丸の前というのが逆に映える。ス ター・ウォーズのダース・ベイダーが冠るマスクのモデルとなったという『六十二間筋兜』。吹返には梅紋を透かしており、私が鍔で最も好きなデザインであ る。前立の弦月がまるで腰反りの太刀にも見える。同じスペースの『白絹宿地雪薄紋単衣』と『納戸地緞子雲文袴』(二領とも10月10日までの展示)も素晴 しい。
他には企画展示室に
・紫糸威胴丸(伝伊達政宗所用)
・銀伊予白糸威胴丸具足
・鉄錆地五枚胴(伝鈴木元信所用)
・黒漆五枚胴具足(片倉重綱所用)
の五領が展示されていた。『黒漆五枚胴具足』と『銀伊予白糸威胴丸具足』は360°どこからでも好きに見られるのが有難い。
今回、最も印象に残ったのは、濱田景隆所用の『浅葱麻地小紋染鎧下着』だった。これは濱田景隆が宮崎城攻めで討死した時に着用していた鎧下着で、血痕や生地の破れが戦の壮絶さを物語っている。破れた箇所に受けたのは刃物か銃弾か。
武具や衣類の他、書状、絵画など仙台公縁の興味深い品々が多数展示されており、一度と云わず何度でも会場に足を運ぶ価値があると思う。10月11日から『黒漆五枚胴具足』二領や『山形文様陣羽織』、『黒羅背板地胴服』の四点が追加展示されるそうだ。こちらも楽しみ。
展示物を見ている間、或いはその後、凡そ三百数十年前の仙台にロマンを思い馳せるのは必至だと思う。展示物を一通り見学し、伊達政宗のスケールに触れた気になり、仙台公の入神後に国包が入道した気持ちが少しわかったような気がした。