2010年2月14日日曜日

『光芒の再生 赤羽刀のきらめき』

 一関市博物館で開催中の企画展『光芒の再生 赤羽刀のきらめき』を見に行く。


 昨日、一関市博物館のサイトを何気なく見たら、『光芒の再生 -赤羽刀のきらめき-』という企画展が開催されていることを知る。文化庁との共催ということで、貴重な刀剣が見られそう。


 博物館の正面入り口前にある、企画展の案内を見て驚いてしまった。なんと今日が最終日ではないか。企画展は二ヶ月ほど前から始まっていたというのに、昨日まで全く気付かず危うく見逃すところだったのだ。
 先ずはいつも通り、『儛草刀と刀剣』コーナーへ。

・太刀 正恒
・太刀 寶壽
・脇指 寶壽(ウラ)貞治三年八月日
・脇指 寶壽
・脇指 寶壽
・刀 月山
・刀 無銘(月山)
・刀 月山正信作
・太刀 月山定吉作二月十一日
・刀 軍勝作
・長刀 出羽國之住人月山近則(ウラ)永正二年二月日
・剣 山城大掾藤原國包 寛永十八年七月吉日(ウラ)山城子源二郎國包 (樋銘)奉寄進松島山王明神寶殿(ウラ)住持雲居叟希膺代
・脇指 奥州仙䑓住藤原國包(ウラ)慶安五年二月吉日
・刀 山城守藤原國包
・刀 安倫(ウラ)宝永ニ乙酉歳六月二十五日
・刀 一関士源宗明作(ウラ)應西尾守房需
・十文字槍 一関士宗明

 思いがけず、念願の正恒を初めて見ることが出来た。思えば初めて一関市博物館に来たとき、当たり前のように正恒と国包が見られるものと勝手に思い込んで いたので、展示されていないことにガッカリしてしまった。いつ見られるのかと受付で問い合わせたが、その時は明確な回答は得られなかった。国包は後に見る ことができたが正恒は叶わず、半ば諦め仕舞いには一関市博物館に所蔵されていることも忘れてしまっていた。それを今回は特別出品ということで、遂に目にす ることが出来た。
 正恒もそうだが、宝寿4口、月山4口、國包3口と企画展を意識してか、随分力の入った展示内容だった。正恒を除いては、全て奥州刀で統一するという凝っ た展示内容だ。正恒は古備前の刀工であるが、父の有正は儛草鍛冶だという説があり、本当ならば正恒も奥州鍛冶と無縁ではない。
 初代国包と孫(三代目)の合作の剣、二代国包の脇指、安倫の三口は仙台市博物館から貸し出しだそうだ。所蔵している仙台市博物館でも見たことがないの に。他所へ貸し出しするのは結構なことだが、所蔵元で見られないというの残念なことだ。色々事情があるのだろうけど。聞くところによると、仙台市博物館に は刀剣に明るい女性学芸員がいたが、現在他所で修行中なのだとか。修行が終わって仙台市博物館に戻ってくると、なんとナンバー2の地位が待ってるという。 もしそうなれば、刀剣の展示に期待ができるようになるのではないだろうか…?いや、あくまで風の噂と私の妄想です。


 テーマ展示だけでも充分楽しめたが、次はいよいよ企画展示室へ。

・短刀 國光
・太刀 定利
・太刀 宗忠
・太刀 則房
・太刀 備前國長船住長元作
・太刀 (朱銘)青江長次(ウラ)光遜(花押)
・小太刀 無銘(藤島友重)
・刀 備州長船祐定(ウラ)天正二年八月日
・刀 相州住廣次作(ウラ)永正元年八月日
・刀 落陽住信濃守國廣
・脇指 丹波守吉道
・長刀 越中守正俊
・刀 於南紀重國造之
・刀 (葵紋)以南蠻鐵於武州江戸越前康継(ウラ)江陽素産高田亀助
・脇指 (葵紋)康継於越前作之
・刀 大和守安定
・刀 長曽祢興正
・刀 近江守高木住助直作(ウラ)延寶五年三月日
・刀 井上真改(ウラ)延寶六年八月日
・脇指 陸奥守包保
・脇指 肥前國住藤原忠廣
・脇指 武蔵大掾藤原是一
・脇指 對馬守橘常光
・短刀 兼常
・脇指 源清麿
・刀 備前介藤原宗次(ウラ)慶応元年五月日


 気になったのは幾つかの刀の中心に、白いものが付着していたことだ。恐らくペンキか何かでナンバリングしたのではないだろうか。そんなところからも、刀のぞんざいな扱いが窺い知れる。どうも赤羽刀のことを考えると、憎悪が込み上げてくるのを禁じ得ない。

 まさか刀剣博物館とほぼ同じ展示量があるとは思ってもみなかった。できれば日を改めてもう一度来たかった。